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| 森繁製作所・リビングイチカ・ちとせ・森繁父
| イチカ | むしゃらーっと、満面の笑みで夕食を楽しむイチカ。
| ちとせ | その人間味がありすぎる反応に、「ロボット設定 どしたの…」。
| ちとせ・イチカ | でもあまりに美味しそうに食べるイチカを見て、ちとせもまんざらではない様子。
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イチカ | すっかり満腹になったイチカ。食べたものをどうやって処理するのかと森繁父に尋ねると、喉の奥に取り出すスイッチがあるとのこと。
| イチカ | 喉に指を突っ込んでスイッチを押すイチカだったが、吐き気を催したかのような声を上げる。「ただののどちんこ…」
| | 森繁製作所・研究室イチカ・森繁父
| イチカ・森繁父 | 研究室で1日を振り返るふたり。改善点がいくつかあると話す森繁父に、イチカはいくつかどころではなく欠陥が多すぎると訴える。
| イチカ | 「防水はデフォにして」「冷却ファンをお尻の上に付けないで」「首取れるようにして」
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森繁父 | くどくどとイチカが並び立てる要望をかなえるために、ボディーを作り直すことに。
| イチカ | 「頼むよ!?」と横柄な態度で作業台の上に横たわるイチカだったが、ふと思い当たって、どれくらい時間が掛かるのかを尋ねる。
| 森繁父 | 森繁父の返答は「早くても1年、5年もあればなんとかなる」というものだった。
| イチカ | もっと早く終わると思っていたイチカは驚く。
| イチカ | 記憶は引き継がれるとはいえ、再び目覚めた時に数年後の世界になっていたら…。
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イチカ | 「ちとせちゃんがめっちゃ大人になってたらどうしよう!?」
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イチカ・ちとせ | イチカはアップデートのために数年かかるから、しばしの別れだと伝える。
| イチカ・ちとせ | まだイチカ=ロボットだという話を信じていないちとせは、「家出をやめて帰る」のだと受け取る。
| イチカ・ちとせ | より完璧な体になって戻ってくる。おっぱいも大きくしてもらう。そんな話を軽い調子で話すイチカ。そこに別れの悲壮感は全くない。
| イチカ・ちとせ | 彼女は気付いていなかったのだ。唐突に別れを告げられて、どこか浮かないちとせの表情に。
| イチカ・ちとせ | 目を伏せながらイチカの話を聞いていたちとせがポツリと呟く。
| | 「友達に…なりに来たんでしょ……?」
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イチカ・ちとせ | 友達になりに来た。そう言って現れたイチカ。でもまだ全然打ち解けてないのに、いきなり帰るなんて勝手すぎる。
| イチカ・ちとせ | 本心を上手く伝えられず、もじもじとするちとせ。
| イチカ・ちとせ | それを聞いたイチカは、ちとせの言葉をあらぬ方向に解釈する。
| イチカ・ちとせ | 「私だけ大人の体に成長してるかもしれないのが 怖いの!?」
| イチカ・ちとせ | 自分の気持ちなんて全然気付いてくれないイチカに、ちとせは怒って行ってしまう。
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| 森繁製作所・ちとせの部屋イチカ・ちとせ
| イチカ・ちとせ | こちらに背を向けるようにして眠るちとせ。その表情は窺えない。
| イチカ・ちとせ | そしてちとせのベッドの隣には、もうひとつの布団が敷いてあった。
| イチカ | それが自分のためにちとせが用意してくれたものだと理解したイチカ。言葉はなくとも、ちとせからの気持ちは伝わったようだ。
| | 森繁製作所・研究室イチカ・森繁父
| イチカ・森繁父 | イチカはアップデートしないことにしたと森繁父に告げる。
| イチカ・森繁父 | 防水機能がなくても水に気をつければいい、スカートがめくれる冷却ファンは見せパン穿けばいい。
| イチカ・森繁父 | でも大人のボディーは…「それな~~」
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森繁父 | その解決策は森繁父の手にあった。ぷるんとしたシリコンバッグ(?)を埋め込むだけなら、一晩で出来る。
| イチカ | パアッと華やいだ表情になるイチカ。「おお~~」
| | 翌朝イチカ・ちとせ・森繁父
| ちとせ | 帰らない。イチカにそう聞いたちとせ。口では「なんだ…」と言いつつも、その表情は戸惑いと安堵が入り混じったようなものだった。
| イチカ | その代わり「博士に大人の女にしてもらった」と、イチカはボリュームアップした膨らみを見せつけるように胸を張る。
| 森繁父 | 「頑張っちゃった」と照れくさそう。
| ちとせ | ふたりの言葉を、ちとせは青ざめた表情で受け止めた。誘拐からの未成年への淫行疑惑…。震える手が電話の受話器を掴む。
| | サイレンを鳴らしてパトカーが森繁製作所に駆けつける。別れはいつだって突然に…。
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