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| 朝・森繁製作所ちとせ・イチカ・森繁父
| ちとせ | 自宅のキッチンで洗い物をしていた12歳の少女・森繁ちとせは、TVのCMで流れた「お友達ロボット」にビクッと反応する。
| ちとせ | そこへ興奮した様子の父が声を掛けてくる。なんでも「ちとせのために長年開発してきたお友達ロボットが完成した」のだという。
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イチカ・森繁父 | 扉の向こうから現れた父は、ドサッと無造作に少女を放り出す。
| イチカ・森繁父 | 鼻と口をテープで塞がれ、手足も拘束されたその姿は、どう見ても誘拐されてきた少女以外の何物でもなかった…。
| ちとせ | すかさず回覧板の行方不明者一覧をチェックするちとせ。
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イチカ・森繁父 | その少女・炉端イチカは父が6年かけて作り上げた人型ロボットという話であった。イチカ自身も明るい表情で「よろしくね」とあいさつする。
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ちとせ | ちとせは突然血相を変えて、「逃げて!」とイチカを促す。父の監視の目がなくなった今なら逃げられると言いたいようだ。
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イチカ | 通話を通じて、森繁父から自身の性能を聞くイチカ。
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イチカ | 噴射の威力はイチカの体をほんの少し前に飛ばすだけ。傍目には単にホッピングしながら前進するだけの人で、飛行のイメージからはほど遠かった。
| ちとせ・イチカ | 結局ちとせに飛行する姿は見せられなかった。それでもあくまでロボットだと主張するイチカに、ちとせはだったら頭を外してみせてと言う。
| ちとせ・イチカ | 機械的にそれはムリっぽいと答えるイチカ。
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ちとせ・イチカ | じゃあ…とちとせは、ロケットパンチよろしく腕を外してと言うが、アニメの観過ぎとイチカに笑われる。
| ちとせ・イチカ | 馬鹿にされたと思ったちとせは怒って先に行ってしまう。
| イチカ | イチカは自分の体で取り外せる部分がないか探し始める。何か見つけたらしく、ちとせを呼び止めてその元に駆け寄る。
| イチカ | 震える手で何かを差し出すイチカ。それはイチカのちくびであった。それを聞くなり、無情にもバシッとはたき落とすちとせ。
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イチカ | 哀れ、イチカのちくびは側溝の中へ。「ああッ お嫁に行けなくなる」
| ちとせ | 「着いた…」とつぶやくちとせ。ようやく学校に到着したのかと思いきや…。
| ちとせ | そこはなんと交番であった。やはりちとせはイチカを誘拐の被害者だと信じて疑わなかったのだ。
| ちとせ・ポリス | 交番にいた女性のポリスに、父の犯行についておずおずと申し出るちとせ。
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イチカ | 「あの少女です」。ちとせにそう言われたポリスが見たのは、なぜか突如パンツを降ろす少女の姿であった。
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ちとせ・イチカ | ちとせを腕に抱きかかえて、街並みの遙か上を駆けるイチカ。
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イチカ | お尻から勢いよく噴き出すジェットに、イチカ自身も驚く。「思ったより飛んでるーー!!」
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イチカ | 木の下に墜落したイチカたち。ロボットのイチカは無事だったが、墜落のショックのせいか、ちとせは「あなた…ダレ…」。
| イチカ | ちとせの後頭部をチョップして直そうとするイチカ。しかしちとせは人間、ロボットと違って叩いても直らないのである。
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