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| ホテル・緒方たちの部屋緒方・加藤・伊藤
| 緒方 | お風呂場で気絶した緒方が目覚める。鼻血を出したため、鼻にはティッシュが詰められていた。
| 緒方 | 起こったことが現実だとは信じられないのか、とんでもない夢を見たと呟く。
| 伊藤・加藤 | 夢だということにしておこうと囁く伊藤だったが、加藤の思いは違ったようだ。
| 加藤 | 夢ではないと緒方に伝える加藤。裸を見られるということは夢で片付けていいような軽いことではないと言う。
| 緒方 | 加藤に事実を伝えられた緒方は動揺する。
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緒方 | そして決意めいた表情で佐藤に告白すると宣言する緒方。その言葉に伊藤たちも衝撃を受ける。
| 伊藤 | 「告白って…どの罪を!?」
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| ホテル・吉岡たちの部屋三つ子・チーム杉崎・しょうがない隊
| 吉岡 | 一方、隣の部屋ではみんなの冷めた視線をよそに吉岡がひとりで盛り上がっていた。「第一回愛の告白大会--ーッ」
| 緒方たち | 告白という言葉を耳ざとく聞きつけ、壁に耳を当てる緒方たち。
| 吉岡 | 修学旅行の夜=告白、というのが吉岡の主張するロジックである。
| 杉崎 | しかし告白大会はいいが、告白する相手などいない。
| 吉岡 | そんな杉崎の疑問も意に介さず、吉岡はあらかじめ決めておいたという告白相手の表を見せる。
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4 |
緒方 | そこへおずおずと現れた緒方たち。自分たちも参加させてほしいと申し出る。
| 吉岡 | その申し出を歓迎する吉岡だったが、予定になかったため告白相手として余り物の男子を物色し始めてしまう。
| 伊藤 | もじもじとして言い出せない緒方に代わって、伊藤が「ちょっと待った」役(かませ犬とも言う)をやりたいと言って、ひとまずこの場を凌ぐ。
| ふたば | ふたばは既にすやすやと眠っていた。家から持ってきた草次郎臭の染みついた枕カバーのおかげである。これが伏線。
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海江田・千葉 | その時、部屋の外から叱責する声が聞こえてきた。廊下をうろついていた千葉たちが海江田に引っ捕らえられたのである。
| 吉岡・宮下 | 海江田の厳しい監視があっては、告白大会の開催もおぼつかない。
| 杉崎 | そこで一計を案じた杉崎は海江田に、告白大会をするつもりだと告げる。
| 海江田 | 当然怒って止めるのかと思いきや、それに乗ってくる海江田。「年齢制限アリ!?」
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6 |
千葉たち | なぜか海江田に解放された千葉たちは不思議に思い、女子の部屋を覗くと…。
| 吉岡たち | それをクラッカーを鳴らしたりして派手に歓迎する吉岡たち。
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ひとは・吉岡 | 戸惑う吉岡に、ひとはがこっそりアドバイスを耳打ちする。
| 千葉たち | 呼び止められて戻ってきた千葉たちが中を覗くと、今度は皆が布団に入り、部屋は静まりかえっていた。
| 千葉たち | それを見て「これこれ」とほくそ笑む千葉。スリルなくして興奮もないのだ。
| みつば・佐藤 | 一方、千葉たちに着いてきた佐藤は、布団の中からみつばに声を掛けられる。
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8 |
みつば・佐藤 | 戸惑う佐藤に、みつばは顔を赤らめながら告白する。
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みつば | その時。窓に何かが当たる音に気付いたみつばが外を見る。すると…。
| 松岡 | そこにはこちらに向けて手を振る松岡の姿があった。単独行動していた松岡が、ようやくホテルまでたどり着いたのである。
| 海江田 | 間の悪いことに、そこでかませ犬役の声を上げる者が。しかもそれはよりによって海江田であった。
| みつば | 松岡が抜け出していたことが海江田に知られたら、どんなお咎めを受けるか分からない。慌てたみつばは佐藤に耳打ちする。
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佐藤 | こちらにつかつかと歩み寄ってくる海江田に向けて、佐藤は言い放つ。それはリアルな心の叫びだったのかも知れない。
| 佐藤 | 「年上とか…ホンット無理だから」
| 海江田 | 告白することさえ許されず、敢えなく撃沈した海江田はその場に崩れ落ちる。
| 海江田 | しかし気を取り直したように明るい表情を作り、大会終了を宣言する海江田。 その目には涙が浮かんでいた。
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緒方 | 「そんなのイヤッ」と意を決して布団を飛び出した緒方。佐藤の前に立ち、自分の想いを伝えようと逡巡する。
| 伊藤 | それを見た伊藤は焦りを隠せない。緒方の告白を阻止しようと、おやじ臭の染みついたふたばの枕を緒方に向かって投げつける。
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12 |
緒方・加藤 | 放たれた凶弾は、緒方に当たる前に阻まれた。加藤が身を挺して庇ったのである。
| 加藤 | しかし彼女たちにとって猛毒にも等しい枕の直撃を受けた加藤は、その場にドサッと倒れてしまう。
| 緒方・加藤 | みるみるうちに衰弱していく加藤。動揺する緒方に加藤は力を振り絞って告げる。佐藤に自分の気持ちを伝えるようにと。
| 緒方・加藤 | そして加藤はガクッと力尽きる。涙ながらに友の名を叫ぶ緒方。「真由美ーーーッ」
| 海江田 | 「ただの枕でしょ?」
| 緒方 | 緒方は意を決したように佐藤に頼む。加藤に触れてあげてと。加藤を救う手立ては既にそれしか残されていなかった。
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緒方 | それは自分よりも友を優先することを意味する。「いいの?」というみつばの問い掛けももっともである。そして緒方は佐藤をまっすぐ見つめながら告げた。
| 緒方 | 「私…佐藤くんのことが好き」
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14 |
佐藤・加藤 | 緒方に促された佐藤は、加藤の頬に手を触れる。たちどころに加藤の顔は血色を取り戻していく。
| 佐藤・加藤 | その光景はさながら眠れる姫を目覚めさせる王子様。それを見ながら、緒方は自分がプリンセスになれなかった悔しさと哀しみを噛み殺していた。
| 加藤 | ところが目覚めるなり、加藤が気に掛けたのは緒方の身であった。彼女もまた、自分よりも友を優先する人だったのである。
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伊藤・田渕 | 彼女には別の王子様がいた。田渕その人である。
| 伊藤・田渕 | 田渕は伊藤に告白する機を覗っていたのだ。だが伊藤にとって彼は、王子どころか自分の身を危うくする危険な野獣に他ならない。
| 伊藤・田渕 | 弱りながらもその場から逃げ出そうとする伊藤を追う田渕。
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ふたば | なおも心許なげながら「何でもない」と言うふたば。その目が窓の外にいる何かを捉える。
| 松岡 | なんと窓の外に不気味な何者か(実は松岡)が張り付いているではないか。
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