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| 矢部のアパート前ひとは・松岡
| 松岡 | 矢部の住んでいたアパートの集合ポストを見て声を上げる松岡。「矢部っちの部屋の集合ポストが封印されてるわーー!!」
| 松岡・ひとは | 事故物件であるその部屋で殺された女性の怨念を封じているのではないかと色めき立つ松岡だったが、ひとはは冷静に真相を告げる。
| ひとは | 「引っ越ししたんだよ」
| 松岡 | 面白みの無い真相を聞かされ肩を落とすかと思いきや、これで邪魔者がいなくなって霊と同棲生活が出来るとポジティブに考える松岡。
| ひとは | 「不法侵入だよ」
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ひとは | 矢部が実家に引っ越したことは、ひとはにとっても由々しき問題であった。
| ひとは | これまで矢部の部屋に忍び込んではガチレングッズを眺めたり、チクビに会いに行ったりしていたのに、それが困難になってしまったからだ。
| ひとは | 松岡の「霊がひとりぼっちで可哀想」という言葉を聞いたひとはは、はっと思い付く。
| ひとは | 矢部の部屋からは既に霊圧が感じられず、矢部に憑いていってしまったのかもしれないと見解を述べるひとは。
| 松岡 | 狙い通り、松岡はこの話に乗ってきた。「Yes」。
| | 矢部の実家ひとは・松岡
| ひとは・松岡 | 自転車で矢部宅前に駆けつけたひとはと松岡。「実家攻略作戦」スタートである。
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ひとは | ひとはは矢部の家を眺めながら、どのように侵入するか考えを巡らせる。まずは合鍵を作り、それから部屋までの侵入経路も確保しなくてはならない。
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松岡 | 矢部の母に対しても臆することなく、家に悪霊が憑いていると主張する松岡。
| 矢部の母 | その話を矢部の母は青ざめながら聞いていた。
| ひとは | 絶対に入れてくれないと思うひとはだったが、なぜか矢部の母はすんなり家に上げてくれた。
| 松岡 | 居間に通されると、さっそく松岡は聞き取りを始めた。最近心配事やおかしな出来事がなかったか。
| 矢部の母 | 矢部の母は、息子が23歳にもなるのに一度も彼女が出来ないのはおかしい。これも悪霊の仕業ではないかと相談する。
| 松岡 | 「いいえ それは無関係ですね」。きっぱり。
| ひとは | 一方ひとはは、これから矢部の部屋に自由に出入りするにはどうしたらよいか考えを巡らせていた。
| ひとは | ひとつ策を思い付いたひとは。松岡にこそこそと耳打ちする。もにょろもにょろ。
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松岡 | 松岡にとってひとはの言葉は霊的アドバイス。言われるがままに矢部の母に伝える。
| 松岡 | いわく、この悪霊は強力なので定期的に浄霊儀式が必要になる。いわく、日曜の朝に特に強力になるのでその時間に来る必要がある。
| 矢部の母 | 矢部の母は霊の存在を本当に信じているのか、松岡の話に異議を挟むこともなく聞いていた。
| 松岡 | 持参した除霊グッズ(御幣・ろうそく・盛り塩など)を広げ、浄霊のための儀式を始める松岡。
| 松岡 | 「なんと初回無料です」
| ひとは | 松岡が矢部母の相手をしている隙にその場を離れ、ひとはは矢部宅内の探索を始める。
| ひとは | 矢部の部屋は2階にあった。主不在の部屋に勝手に上がり込むひとは。なわばりも確認。
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ひとは | ひと通り確認したひとはは、ベッドに腰掛けフーと息をつく。
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矢部の母 | 矢部の母は霊はいなくなったようだから、儀式はもういいと話す。
| 松岡 | 初回無料=次回以降有料だから嘘をついているのでは、と疑う松岡。「商売だめ…」。
| 松岡 | 松岡は自分の儀式の効果があったのだと浮かれ、意気揚々と家を出ていった。
| 矢部の母 | それを見送る矢部の母。その顔はどこか晴れ晴れとした表情にも見えた。
| ひとは | 一方でひとはは、攻略作戦はどうしたものかと悩んでいた。
| 矢部の母 | 背後にたたずむ人影(ひとは)に気付いた矢部の母。
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矢部の母 | 「ギャッ まだいる!!!」
| 矢部の母 | 矢部の母が見ていた「霊」とは、変装したひとはだったのだ。頭を抱えて怯える矢部の母。
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