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| 鴨橋小学校・廊下みつば・杉崎・吉岡・宮下・海江田
| みつばたち | 廊下で掃除中のみつば&チーム杉崎の面々。毎年恒例、杉崎家のハロウィンパーティーの話題で盛り上がる。
| 宮下 | 「ハロウィンもすっかりカップル用イベントに…」、そう言いながら宮下が掃除用具入れを開けようとすると…。
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海江田 | 棺桶の中には眠れる美女。その実体は掃除用具入れの中に潜んでいた海江田であった。
| 海江田 | 目覚めてみつばたちに襲いかかる海江田。「真のハロウィンを教えてあげるわ」。
| みつばたち | 恐怖に駆られ、全力で逃げ出す面々。しかし敢えなくみつばが捕らえられてしまう。
| 海江田 | 10月だけは心穏やかに過ごせていたのにと愚痴る海江田。「生きづらそう…」
| | 三十路地獄の一年
- 1月:成人式(若さ)
- 2月:バレンタインデー
- 3月:ホワイトデー
- 4月:新歓コンパ
- 5月:こどもの日(いない)
- 6月:ジューンブライド
- 7月:七夕
- 8月:アバンチュール
- 9月:祭り
- 10月:ハロウィン
- 11月:クリスマス準備
- 12月:クリスマス
| 海江田 | ハロウィンは本来子供のためのイベントだと海江田は憤る。
| 海江田 | だが浮かれているみつばたちとて子供。しかし海江田は「都合のいい時だけ子供ぶる」と聞く耳持たずだった。
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| ハロウィン当日・夜道海江田・みつば
| 海江田 | 半額弁当の買い物袋を手に、とぼとぼと夜道を歩く海江田。ハァ…と、ひとつため息。
| 海江田 | 「三十路」と呼び掛けられて振り返ると…。
| みつば | そこには覚えのないイケメン男子(男装したみつば)がいた。
| みつば | どぎまぎする海江田をよそに、そのイケメンはハロウィンパーティーの招待券を渡すと颯爽と去っていった。
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海江田 | 私がハロウィンなんて…。逡巡しながらも海江田の足は杉崎家に向かっていた。
| | 杉崎家海江田・みつば
| 海江田 | 狼女のコスチュームでパーティー会場に降り立った海江田。ワォーン。
| 海江田 | ハロウィンなんて――そう思いながらも、来ずにはいられなかった。自分でも浮かれすぎかしら…と戸惑う海江田。
| 海江田・みつば | 自分をパーティーに誘ったあのイケメンを見つけた海江田は、ためらいがちに声を掛ける。
| 海江田・みつば | 「狼女になってみたんだけど…どう?」。突然感想を求められて、ちょっと焦るみつば。「い…いいんじゃない…?」
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みつば | 当のみつばは海江田のことより、とにかく肉に夢中。「もっと肉を食べたいのッ」
| 海江田 | 「肉食べたい」を「肉体見たい」と聞き違える海江田。お約束。
| 海江田 | 肉体見たい=もっと露出しろということだと解釈して、ひとりで盛り上がる。いつもと違う自分をさらけ出さなきゃ…。
| 海江田・みつば | みつばが見たのは、次々とコスチュームを脱ぎ捨てながら迫り寄ってくる海江田の姿であった。
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海江田 | 恥じらいながらもとつとう上着まで脱いで、トップレス姿になってしまう。
| みつば | 「なんなの なんなの なんなの」。海江田の意味不明な行動にゾッとするみつば。
| 吉岡・紗江子 | 折り悪く、そこへやって来たのは吉岡親子。紗江子はこのパーティーがはれんちな催しでないかを確認しに来たようだ。
| 紗江子 | 上半身裸でポーズを決める女教師の痴態を目撃し、紗江子の眼鏡が砕け散る。
| 海江田・紗江子 | よりによって厳格で知られるPTA会長に見つかってしまい、焦りまくる海江田。あわや教育委員会案件に。
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みつば | そんな海江田の窮地を救ったのは、あのイケメンであった。
| みつば | さっとカーテンを開けると、窓の外には輝く満月が。
| みつば | イケメンは言う。(月の見えない)「室内に入ったから、狼女から人間に戻っちゃっただけだろ」と。
| 海江田・みつば | そう言って手を取るイケメンの紳士的な態度に、海江田の心はすっかりわしづかみにされてしまった模様。輝く瞳がもはやハート型。
| 一同 | イケメンの気の利いた台詞に、おーっと盛り上がる観衆。紗江子を引き下がらせるだけの説得力はあったようだ。
| 海江田・吉岡 | 吉岡に「身も心もなりきってるね」と言われ、「まぁね」と照れながら答える海江田だったが…。
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みつば | その言葉はみつばに向けられたものだった。「さすがみっちゃん」と周囲から褒め称えられるみつば。
| 海江田 | しかしその場の空気とは違う雰囲気を漂わせる者がひとり。イケメンの正体を知ってしまった海江田である。
| 海江田・みつば | 肉を食べようと盛り上がるみつば。その背後でわなわなと海江田の拳が震える。
| 海江田 | 「真のハロウィンはこれからよォォ」。そして響き渡る悲鳴。
| | 一人勝手に勘違いして舞い上がっただけとはいえ…純情な乙女の心を弄び、そして裏切られた怒りの牙は、相手に向けるしかなかったのである…。
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