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| 6-3教室緒方・加藤・伊藤
| 緒方 | 嬉々として佐藤のイスのゴムキャップを外す緒方。それをおちょこ代わりにぐびっと水を飲み干す。
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伊藤・加藤 | 緒方をよそにヒソヒソ話を始める。緒方が自分たちの知らない佐藤くんグッズを持っているのではと疑う伊藤。
| 加藤 | 確かに緒方の発想は常人離れしているとしつつも、伊藤の憶測に対しては否定的。
| 伊藤 | なおも懐疑的な伊藤。「緒方の家には入ったことがない」という加藤の言葉に何かを思いつく。
| | 緒方家の前緒方・一郎太・伊藤
| 緒方・一郎太 | 家を出る一郎太。その目には涙。「毎日別れるたびに泣かないで」
| 一郎太 | すれ違いざまにパーカーのフードを被った人物とぶつかる。
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伊藤 | その怪しげな人物は伊藤であった。手には一郎太からスリ盗った定期入れが。
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緒方 | ちょうど緒方がお茶を出しているところで、黒電話が鳴る。電話を掛けてきたのは一郎太のようだ。
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伊藤 | 禁断の部屋の扉を開ける。めくるめくお宝部屋のハズがなぜかおどろおどろしい雰囲気…。
| 伊藤 | 部屋の中を物色する伊藤。しかし部屋にあったのは、壁一面「おにいちゃん」の似顔絵や緒方が写った写真、履き古しの靴下。
| 伊藤 | ハンガーに架かった緒方の一張羅のジャンスカを見つけて、「裸で出て行った!?」と一瞬焦る伊藤。んなわけない。
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伊藤 | そのお古のジャンスカから漂うシェービングの匂いから、真相…すなわち一郎太が頬をすり寄せていることに思い至りゾッとする。
| 伊藤 | そろそろこの部屋の真実に気付いて怯えながらも、なおも一縷の望みを掛けて佐藤グッズを探す。
| 伊藤 | しかし見つけたのは、箱に貯め込まれた緒方の髪の毛、緒方の声の録音テープ、そして緒方の髪を植毛されたぬいぐるみ…。
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伊藤 | あまりのおぞましさで顔が引きつっていたところに追い打ちを掛けるように、突如ガラッと玄関が開く音が。
| 一郎太 | 外出したはずの一郎太がなぜか戻ってきた。
| 一郎太 | 緒方へのサプライズのためにわざと忘れ物をしたと話す。しかも誕生日でも何でもなく、ただ驚かせたいだけだという。
| 伊藤 | ドクンドクンと激しく胸を動悸させる伊藤。シスコン兄貴のヤバさに動揺を隠せない。「早く…早く帰らなきゃ…」
| 一郎太 | 伊藤の存在に構わず、部屋の飾り付けを始める。流れるBGM=緒方の声。「あぁ…隠す気ないんだ…」
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一郎太 | 貯め込んでいた緒方の髪の毛が減っていることに気付く。普通気付かない。しかも本数を覚えていて数え始める。
| 伊藤 | 一郎太のガチっぷりに青ざめていた伊藤。とはいえ自分の犯行だとバレては困る。一郎太に声を掛けて留めようとするが…。
| 一郎太 | 伊藤の手のひらに付着した髪の毛に気付いて、その手をギュッと握りしめる。
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伊藤 | 佐藤以外の男成分はしょうがない隊にとっては猛毒。たちどころに真っ白に腐敗して、伊藤は意識を失う。
| 伊藤 | 再び気が付くと、自分を見つめる緒方の顔があった。
| 緒方 | 帰ってきたら腐って倒れていた伊藤を見つけて、看病してくれていたらしい。
| 伊藤 | 悪い夢を見ていた気がするとつぶやく伊藤。すべては悪夢だったのか…。
| 緒方 | さらに緒方は、汗まみれだった伊藤を着替えさせたという。
| 伊藤 | 自分が身につけている服…それがあのシェービングの匂いが染みこんだお古のジャンスカだと気付く。
| 伊藤 | 悲痛な絶叫が緒方家に響き渡る。「いやああああああ」
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