1 |
| 矢部の部屋矢部・松岡・ひとは
| 矢部 | 休みの日の朝、ドンドンと乱暴にドアを叩く音で起こされる。
| 矢部 | ドアスコープを覗いて外をうかがうと、そこには松岡がいた。
|
|
2 |
矢部 | 無視しようとするが、外から鍵を開けられて驚く。「なんで鍵持ってんの!?」
| 松岡 | 「なぁんだ居たの」
| ひとは | いつの間にか部屋に上がり込んで、ベッドにちょこんと腰掛けていた。「ここの合鍵は教室の落とし物BOXに入ってるんですよ」
| 矢部 | 「少なくとも2本の合鍵が出回っている…」
| 松岡・ひとは | ひとはが来ることは松岡も知っていたようだ。「やっぱり三女さんも来てたんだ♡」「こないだ見せちゃったアレ?」
| 松岡・ひとは | 「そうそう 事故物件情報サイト!」 彼女たちが矢部の部屋に来たのは、ここが事故物件だったかららしい。
| 矢部 | 「松岡さんにネット与えちゃダメだよ」
|
|
3 |
松岡・矢部 | 「6年前 お風呂場で…」「やめてやめて 詳細言うのやめて」。怯える矢部。
| 矢部 | どうやらガチの話だと知って落ち込む。知っていたら借りていないと震える。
| 松岡 | コンビニ本で仕入れた事故物件の知識を披露する。
| 松岡 | 持ってきた寝袋を広げ、洗面台に自分のカップとハブラシを置く。一連の行動になんら躊躇する素振りはない。
|
|
4 |
松岡・矢部 | 「よろしくねっ」「よろしくないよ!!」 松岡はお泊まりする気満々であった。
| 松岡・ひとは | 「墓地や丸井家でも無事生き抜いてるから大丈夫だよ」「墓地とうちを一緒にしないで」
| 矢部 | 1人暮らしの男に家に教え子を泊めるなんて警察事案になりかねないと真っ当な主張。
| 松岡 | 矢部の訴えも「バレない」と無視して、心霊を撮影するためのカメラを設置し始める。
| 矢部 | お泊まり案件の証拠を残されてはたまったものではないと、カメラを撤去。
|
|
5 |
矢部・ひとは | どうにかしてとひとはに頼む矢部。しかしひとははどうにもならないと言う。
| ひとは | 6年前にこの部屋のお風呂で起こったという事件について、ペラペラと語り出す。
| 矢部 | 聞きたくない真実を知ってしまい、もう風呂に入るのが怖いと怯える。
| ひとは | 松岡について「ちなみに我が家には36日間居座りました」
| 矢部・ひとは | 矢部は「ひとは=天才霊媒師」という設定を思い出す。「正式には間に”美少女”が入るんですが…」
| ひとは | 矢部に言われ、浴槽に仰向けにさせられるひとは。自殺した女性の霊を取り憑かせたことにしようというのだ。
| ひとは | 割と本気でビクビクするひとは。おふざけならともかく、さすがにガチのやつは無理だと断る。
|
|
6 |
松岡 | 風呂場に顔を覗かせる。「どしたの?」
| 矢部 | 突然ガクッとうなだれる。そして女性の霊に取り憑かれた下手な演技を始める。
| 松岡 | 矢部の演技を見て霊に取り憑かれたのだとあっさり信じる。「チョロ…」
| 矢部 | フラフラと外へと歩き出す。松岡を部屋から追い出すべく誘導しようというのだ。
| 松岡 | 矢部を止めようとしたのか、「はーーっ」の掛け声と共に矢部の首筋を打ち据える。
|
|
7 |
矢部 | 松岡の手刀で気を失い、その場に倒れる。
| 松岡 | 目を輝かせながら叫ぶ。「私に取り憑いてーー!!」。これが彼女の狙いだったのだ。
| ひとは | 霊を引き寄せようとする松岡の姿を見ながら「やれやれ…」と呟く。
| 矢部 | 夜、ベッドの上で気が付く。傍らの寝袋に寝ている黒髪の女性を見て、結局松岡を泊まらせてしまったと思う。
| | 6-3教室矢部・松岡・ひとは
| 矢部 | 1泊だけだからと松岡に念を押す。
|
|
8 |
矢部 | 朝には既に居なかった松岡に、いつ頃帰ったのかと尋ねる。
| 松岡 | 「なんのこと?」ときょとんとする。
| ひとは | 矢部を寝かせたあとはすぐ帰ったと話す。松岡の反応からも嘘ではないようだ。
| 矢部 | それを聞いて、にわかに焦り出す。昨晩自分が見たのはひょっとして…。
| 矢部 | 嘘だと思いたい矢部。本当は昨晩泊まったと言うように松岡に詰め寄る。その様子を野田と栗山に目撃されてしまう。
|
|