10卵性『仄暗い水のその辺』
ほのぐらいみずのそのへん
あらすじ て…手強い相手であった…
教室の窓際で外を眺めながら、ひとはは憂鬱そうにため息をついていた。季節は夏、夏と言えば水泳。そして水泳と言えば、運動音痴な彼女にとって最も忌々しいもののひとつだったのだ。そんなひとはに声を掛けてきたひとりの少女。この前知り合いになった松岡咲子である。だがこの少女の存在もまた、ひとはにとっては悩みの種となっていた。松岡は先日の勘違いをこじらせ、ひとは=天才美少女霊媒師と意味不明な思い込みにとらわれていたのだ。そしてふたりは成り行きで夜のプールに忍び込むことに。水泳の練習に付き合ってくれるものだと思っていたひとはだったが、そんな期待はあっさり打ち砕かれることになる。
松岡の狙い。それはプールに潜む悪霊の除霊にあった。こんな馬鹿げた茶番にはさすがに付き合いきれない。ひとはは松岡を冷たく突き放し、その場を立ち去ろうとする。だが涙を流し始めた松岡の姿に動揺したのが運の尽き。狂気すら感じさせる松岡の全身経文に怯えたひとはは、逃げ出そうとした弾みでプールに転落してしまう。始まる命懸けのバトル。懸命に助けを求めるひとはの訴えも松岡には通じず、ただ念仏とパンツもろもろがプールに投入されるばかりであった。消えゆく命の灯火。末代まで祟ると呪詛をはきながら水底に沈んでいくひとは。すんでの所で用務員に助けられ、ひとは自らがプールの悪霊になる事態は回避された。翌日のプール開きで松岡に恥をかかせ、いくらか憂さ晴らしができたのがせめてもの救いだった。
松岡の狙い。それはプールに潜む悪霊の除霊にあった。こんな馬鹿げた茶番にはさすがに付き合いきれない。ひとはは松岡を冷たく突き放し、その場を立ち去ろうとする。だが涙を流し始めた松岡の姿に動揺したのが運の尽き。狂気すら感じさせる松岡の全身経文に怯えたひとはは、逃げ出そうとした弾みでプールに転落してしまう。始まる命懸けのバトル。懸命に助けを求めるひとはの訴えも松岡には通じず、ただ念仏とパンツもろもろがプールに投入されるばかりであった。消えゆく命の灯火。末代まで祟ると呪詛をはきながら水底に沈んでいくひとは。すんでの所で用務員に助けられ、ひとは自らがプールの悪霊になる事態は回避された。翌日のプール開きで松岡に恥をかかせ、いくらか憂さ晴らしができたのがせめてもの救いだった。
データ
扉絵
霊媒師の格好の松岡と、背中合わせで手を合わせるひとは。柱紹介
登場人物
登場場所
アオリ文
夏は⏎やっぱり…!?
オクリ文
授業に出た⏎勇気は認める!!
作者コメント
ペットショップで小動物を眺めるのが唯一飽きない私の趣味です。
台詞
- 「忌々しい季節がやってきた……」(ひとは)
- 「「天才美少女霊媒師」の三女さんとしては大忙しの季節でしょ!? そりゃあ憂鬱よねぇ…」(松岡)
- 「もー謙遜しないで!! 大丈夫 美少女だからっ♡」「そこじゃないよ」(松岡・ひとは)
- 「除霊開始ッッ!!」(松岡)
- 「こうね?」(松岡)
- 「申し訳ないけど私そんな力ないし…もう関わらないでほしい」(ひとは)
- 「……私は大丈夫だから……覚悟はできてるから!!」(松岡)
- 「霊障がないよう体中に経文を施してみましたっ!!」(松岡)
- 「? どうしたの? もしかして憑かれちゃった?」「自分自分」(松岡・ひとは)
- 「あの…本当にどうかしてると思う…」「同化してる!? そんな力もあるのね」(ひとは・松岡)
- 「これねーー!!」「違う違う」(松岡・ひとは)
- 「末代まで祟ってやる…」(ひとは)
- 「やだなぁ 三女さんはそんな間抜けじゃありませんっ」(松岡)
- 「て…手強い相手であった…」(ひとは)
- 「効いた…祟りが…」(ひとは)
キーワード
アラカルト
- サブタイトルの元ネタは、映画化もされたホラー短編集『仄暗い水の底から』(鈴木光司)。
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※レビューはコミックス収録後に書きます。