のりお先生の新作『ロロッロ!』連載開始!
2016年10月02日
いよいよ週刊少年チャンピオンで連載が始まった、のりお先生の待望の新作『ロロッロ!』
読み方は「ろろっろ」でいいんですよね…?(→週チャンのサイトに書いてある文字を貼り付けたら、確かにカタカナの「ろろっろ」だったので間違いないはず…!)
週チャンにおける掲載作としては『お祝い出張版』(2013年・浦安20周年記念)、連載作品としては別チャン移籍前の『みつどもえ』以来4年ぶりの新作となります。
ちなみにのりお先生の初連載作である『子供学級』がスタートしたのも、13年前の「週チャン44号」。このことに巡り合わせの妙みたいなものを感じてしまいました。

ふたりの主人公

主人公の名前は森繁ちとせ。中等部に通う12歳の女の子です。
この「ち○○」という名前は、読み切りから継承されているまごうことなき主人公の証です(『半開きさん』の小林ちひろ、『ギャルサーの姫』の小泉ちえり)。
淡い金髪にぱっつん前髪、短めのお下げ三つ編み。その細身で小柄な体格はいかにもか弱そうで、思わず庇護心をそそられてしまいますね~(*´∀`*)
そのルックスの通り、口数が少なく物静かな性格のようです。お友達が出来ないというのも、この内気な性格のせいなのでしょう。
カラー扉に描かれた他の子が半袖の夏服なのに、ちとせだけは長袖のまま。このあたりにもガードの堅さを感じさせますね。
父親が溺愛しているとのことですから、自己主張に乏しい性格になるのも無理はなさそう。ただ「子供扱いし過ぎ」という台詞からして、そろそろ反抗期なのかも?

さて事前に明かされていなかったもうひとりの主人公、ロボッ娘の名前は炉端イチカ(13)でした。
炉端=ロボット、イチカ=1号のもじりということですよね。名字が森繁ではないのは、あくまでちとせの姉妹ではなく、友達という設定だからでしょうか。
13歳というのは人格と外見上の設定年齢のようですけど、なぜちとせより1歳上に設定されたのでしょう? 果たして何か意味があるのか…。
青紫色の髪と瞳は、よりリアル寄りな『みつどもえ』では見られないものであり、彼女がロボットであることを印象づけるのに一役買っていると思います。
(今後登場するであろう他の子たちも黒髪や濃いめの茶髪のようですから、イチカの異質さは際立っています)
そういう意味ではちとせもちょっと日本人離れしたルックスですし、実はちとせも森繁父が作ったロボットだったりして……(ヾノ・∀・`)ナイナイ

気になるストーリーは?

気になる本編のストーリーの方ですが、こちらは(伏せ字だらけだったとはいえ)事前に出ていた予告文などからある程度予測はついてました。すなわち…
「ロボットの女の子が現れて、主人公を振り回すドタバタ劇」
ところがそんなフレーズから誰もが思い描くであろうテンプレ的展開は、たった1コマで覆されることになります。
ちとせの前に現れた…というか、連れてこられたのは、手足を縛られ、口をテープで塞がれた少女。その少女が父の手で無造作に床に放り出される。
しかもその父はと言えば、そのへんで人をさらってきてはお肉にでもしちゃってそうな、あまりにもアブなすぎるルックス(人相は分かりませんが)。
このコマのインパクトだけでも「よくあるただのロボっ娘漫画」ではないぞと読者に思わせるには充分でしたよね。
イチカの口を塞いでいるのが「保護テープ」だというのも上手い設定ですよね(笑)。新品のロボットならさもありなん。

また私が特に注目したのが、イチカ自身は自分の機能や性能をあまり把握していない、という点。これが作劇上でのポイントだと思います。
普通なら異質な存在としてのイチカが、ごく普通の人間であるちとせを振り回すというのがセオリーでしょう。
この1話目だって、構ってもらおうとイチカが絡んできては、その過剰すぎる機能でちとせを振り回して迷惑を掛ける…そんなありふれた展開に陥ってもおかしくありません。
ところがさすがはのりお先生。そんな凡百の展開では収まりません。ド直球とも言える設定から微妙に軌道を変化させて、読者の意表を突いていきます。
  • 通話機能 → イチカは知らなかった → 傍目にはマインドコントロールされたおかしい人。
  • 飛行機能 → イチカは知らなかった → 期待はずれなホッピング機能。
  • 頭や腕の着脱機能 → そんなものない → ちとせを笑って怒らせてしまう。
  • 着脱可能なパーツ → なぜかちくび(女子中学生のちくびも、外してしまえば描いても問題ないという発想…!)
おかげでイチカがただ一方的に振り回すだけのキャラクターにならず、むしろイチカが自身の体に組み込まれた機能に翻弄されているほどです。
加えてロボットだなんて与太話を全く信じようとせず、まともに取り合ってくれないちとせとは立場が逆転。ちとせのマイペースっぷりがそれに拍車を掛けています。
このようにちょっとずつお約束をズラしてくるギャップの妙が、のりお先生の真骨頂。設定や舞台は異なるとは言え、のりお節はこの作品でも健在だと言えましょう。

予告によれば、本作は『友情パニックコメディ』とのこと。つまりこの作品の主題は、友情にあるということです。
イチカが生みの親である森繁父に対しても、ちとせに対しても終始タメ口なのも、彼女がお友達ロボットとして作られたという設定に説得力を与えるものとなっています。
ちとせとイチカ。今はまだ噛み合わないこの二人がこれからいったいどんな物語を紡ぎ、心と種族(?)の壁を乗り越えて友情を結んでいくのか…。
パニックコメディを謳いつつ、この『ロロッロ!』という作品、意外とハートフルなストーリーになったりして…?

コメント

zenit 2016年10月02日 18:38

>読み方は「ろろっろ」でいいんですよね…
▢だらけの予告のせいで、一瞬分からなくなりますよね。ローマ字表記もRORORROだしこれでいいんだと思います。

>『子供学級』がスタートしたのも、13年前の「週チャン44号」
そうだったのか!!さすがみつたまさん。秋田書店サイドは把握していなさそう・・・

>この「ち○○」という名前は、読み切りから継承されているまごうことなき主人公の証
何か由来があるのか気になりますね。ちくび・・・ちくびがテーマだからか。

>お友達が出来ないというのも、この内気な性格のせい
その割に初対面のイチカのちくびを確認しようとするし、あの父にしてこの娘的なアレなナニをきっとてんこもりに隠し持っているはず。

>なぜちとせより1歳上に設定されたのでしょう?
頼りないちとせをリード出来る早めに生まれたお姉さんタイプにデザインしたんでしょうか。同じ中1でも4月生まれと3月生まれではだいぶ違いますしね。

>青紫色の髪と瞳は、よりリアル寄りな『みつどもえ』では見られないもの
ちとせも金髪だし、ちょっと不思議ですね。ジャンプした時の俯瞰の町並みも日本離れしていたので、その辺はゆるく設定しているのかも。

>イチカの口を塞いでいるのが「保護テープ」だというのも上手い設定
鼻も塞いでいたので!?でしたが、まあロボットだし呼吸はしないのかな・・・あの登場シーンの絵面のやばさはさすがのりお先生らしいエッジな感じでした。拘束というよりは新品家電製品的な貼り方ではありましたが。

>イチカ自身は自分の機能や性能をあまり把握していない
それでいて、取説はインストールしておいた、という絶妙な設定。自分で試しながらやっているので読者もイチカ視点でちゃんとついて行けるんですよね。

>この作品の主題は、友情
友情・・・女の子同士の友情はいいよね・・・百合ん百合んしちゃいますね。


と~しき 2016年10月02日 22:09

ロロッロ面白かったですよね!
ち○○っていうのが主人公のパターンっていうのは気づかなかった!
44号で始まるという運命を発見される事も含め、みつたまさんののりお先生愛ホントすごい!!

>そろそろ反抗期なのかも?
イロイロと複雑なお年頃な時に、あんな父親だったら反抗期もやむなしか…!
フシンシャシャシャ……

>たった1コマで覆されることになります。
電車の中で読んでいきなり吹き出しそうになりましたw
可愛さのなかにキレッキレなギャグを持ってくる、週チャンに錦を飾るスタートだったなぁ、と。

>友情にあるということです。
2話以降にストーリー展開されるというのも新鮮でしたよね。
だから、短期集中の中で友情物語が描かれるのではないかという点も期待していたりします。
楽しみ楽しみ!!


みつたま 2016年10月02日 23:44

>zenitさん

>▢だらけの予告のせいで、一瞬分からなくなりますよね。
フォントによっては□とロの区別がまったくつかないので不安になりました。まあ他にはありえないかー。

>秋田書店サイドは把握していなさそう・・・
私も調べごとをしていてたまたま気付いただけですので! 秋田宮さんが知らなくても無理はないよ。

>ちくび・・・ちくびがテーマだからか。
そんなひわいな理由だったらガッカリだよ…!!
こんなふうにキャラのネーミングに凝ってみたくなる気持ちはちょっぴり分かります。先生と魂を共有!
名字の「小○」も意図的なものかなーと思ってたんですが、今回を見る限りハズレだったようです。

>頼りないちとせをリード出来る早めに生まれたお姉さんタイプにデザインしたんでしょうか。
背丈もちとせより高いですし、ややお姉さん寄りの設定ですよね。あるいは想定より早く出来てしまったのだろーか。
ちとせがひとはみたいな性格だったら、イチカぼでぃに嫉妬してしまいそう。

>ジャンプした時の俯瞰の町並みも日本離れしていたので
学校の造りも西洋風な感じですよね。なんとなく軽井沢的な雰囲気をイメージしてました。
上尾のような典型的な日本の街ではないことだけは確か。

>鼻も塞いでいたので!?でしたが、まあロボットだし呼吸はしないのかな・・・
イチカは起動したばかりっぽいですが、目覚めていきなりあの状態だったらパニックにもなりますわな。

>自分で試しながらやっているので読者もイチカ視点でちゃんとついて行けるんですよね。
そうそう! そういうことが言いたかったの! イチカに親近感を持たせる上でも重要な部分だと思いました。
この1話目で言えば、むしろちとせの方が謎めいてるくらいですしねw

>友情・・・女の子同士の友情はいいよね・・・百合ん百合んしちゃいますね。
のりお先生ももっと大っぴらにゆりゆりしたかったに違いない!


tara 2016年10月02日 23:53

>『子供学級』がスタートしたのも、13年前の「週チャン44号」。
>「ち○○」という名前は、読み切りから継承されているまごうことなき主人公の証
どちらも全く気がつきませんでした~
流石はみつたまさん、のりお学の権威!

>実はちとせも森繁父が作ったロボットだったりして
第1話途中までは「イチカがロボットかと思わせて実は…」というミスリードを警戒してましたw
空を飛んだところでようやく「あ、本当にロボットなんだ」と納得(^^;)

でも確かに、ちとせも□□ッ□という可能性もまだ…(ぉ)

>イチカ自身は自分の機能や性能をあまり把握していない
手探り感がいいですよねw
ツッコミキャラ・リアクションキャラとしても優秀で、次回以降も楽しみです。ストーリー要素も期待♪


みつたま 2016年10月02日 23:57

>と~しきさん

>ち○○っていうのが主人公のパターンっていうのは気づかなかった!
こういう伏せ字にすると、ひわいなムードが出てしまうことに今気付いた。
名前の規則については「小泉ちえり」の時点で予測していたのですが、今回のちとせで確信へと変わりました。
ただ次があったら、外してきそうな気も…w

>みつたまさんののりお先生愛ホントすごい!!
うんうん…って、変な意味じゃなくてね!?

>イロイロと複雑なお年頃な時に、あんな父親だったら反抗期もやむなしか…!
マッドな父を持つ娘の悩みは古今東西同じなんですなぁ。
お友達ロボットというのも、ちとせ的にはありがた迷惑だったのかも。…今の時点では。

>電車の中で読んでいきなり吹き出しそうになりましたw
もう、完全に意表&ツボを突かれちゃいましたよね~。そう来るかーってw
しかしのりお先生の世界観的に、父親は不審者でなくてはならないルールでもあるんだろうか。

>週チャンに錦を飾るスタートだったなぁ、と。
のりおはとんでもないものを残していきました。

>2話以降にストーリー展開されるというのも新鮮でしたよね。
考えてもみれば、のりお先生の作品で続きものというのは初めてのことなんですよね。
まだ見ぬ体験に我々もドキドキです!


みつたま 2016年10月03日 00:09

>taraさん

>流石はみつたまさん、のりお学の権威!
も、もっとわっしょいしなさいよ!!

>第1話途中までは「イチカがロボットかと思わせて実は…」というミスリードを警戒してましたw
既にのりお先生の術中にハマっている…! ミスリードを警戒するのはtaraさんならでは…?w
とは言え、ホッピングするまでは実際にロボットであるかどうかは分かりませんでしたよね。
ここまでは実はロボットと思わせて、ホントにただの人間でした説も捨てきれませんでした。

>でも確かに、ちとせも□□ッ□という可能性もまだ…(ぉ)
こっちは「ロリッ娘」で落ち着く模様。たぶん。でもまだどんな牙を隠し持っているか分かりませんね。
これで「マゾッ娘」だったりしたらどうしよう。

>手探り感がいいですよねw ツッコミキャラ・リアクションキャラとしても優秀で、次回以降も楽しみです。
まだ自分にどんな機能が潜んでいるか分からないという恐怖…w
1話目の時点ではまだイチカがひとりで空回りしている感がありましたが、今後ちとせとどのように
絡んでいくのか…のりお先生の描き出すストーリーに期待は膨らむ一方です!


(*’ω’ノノ゙☆パチパチ 2016年10月11日 10:12

痛恨の買い忘れ・・・
話に乗っていけず残念の極み((T_T))


みつたま 2016年10月11日 22:53

>(*’ω’ノノ゙☆パチパチさん
そんなあなたに電子版! 今からでも全然遅くないわ!
http://www.akitashoten.co.jp/features/digital/w-champion/


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