そーじの時間
そーじのじかん
『そーじの時間』 | |
掲載号 | 週刊少年ジャンプ 2003年28号(2003/06/09) |
収録巻 | 未収録 |
ページ数 | 19ページ |
備考 |
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概要
集英社の第58回赤塚賞佳作受賞作(※1)。週刊少年ジャンプ2003年28号に読み切りとして掲載。のりお先生の商業デビュー作である。
内容は、とある小学校の掃除の風景を描いたドタバタ劇。台詞が一切ない完全なサイレント作品というのが大きな特徴となっている。小学校が舞台であること、また絵柄や容赦ないバイオレンスな作風などは、のちの『子供学級』のそれに近しい。
(※1) この時は佳作4本で、佳作以上の受賞者は出ていない。
内容は、とある小学校の掃除の風景を描いたドタバタ劇。台詞が一切ない完全なサイレント作品というのが大きな特徴となっている。小学校が舞台であること、また絵柄や容赦ないバイオレンスな作風などは、のちの『子供学級』のそれに近しい。
(※1) この時は佳作4本で、佳作以上の受賞者は出ていない。
あらすじ
1~2ページで場面が遷移していくが、おおよその展開は以下の通り。
- 扉絵の坊主頭の男児が、ホウキをまたいで階段を滑り降りる。振動で股間が刺激される。しかし階段の下に倒れていたゴミ箱にホウキが引っかかり、男児はガラスを突き破って階下に転落。
- さらに同じ坊主男児。モップの裏に接着剤を塗り、それを天井に張り付けてブランコに。その次に別の太った男児がブランコに乗るが、重みで天井が抜けて崩れ落ちる。
- 窓を拭いていたメガネ女児。坊主男児に磨いた窓を汚され、激怒。張り倒す。しかしその女児はクシャミで窓ガラスにヘッドバッド。派手にたたき割り、失神。
- 廊下を雑巾がけしていた別の男児。後ろから来た坊主男児に馬乗りの格好になって疾走。しかし勢いがついたところに急ブレーキを掛けられ、壁に激突。流血。
- 窓で黒板消しをはたいていた女児。上の階からバケツの水をかけられる。代わりにはたける場所を探して、何かをひらめく。ドアに黒板消しを挟むトラップを仕掛け、坊主男児がそれに掛かる。それによって黒板消しはキレイに。なおこの子だけが、それほどヒドイ目に遭ってない。
- ちりとりでごみを集めていたポニテ女児。ごみの中には何匹かのゴキブリが。丸めた紙ではたこうとして、ちりとりの柄の部分を叩いてしまい、ゴキが口の中にスローイン。そのまま飲み込んで失神。
- ワックスで滑る坊主男児。転んだはずみで大量のワックスがぶちまけられる。滑って転ぶ被害多数。机を運んでいた男児は窓の下に落とすまいと踏ん張るが、結果的に机ごと転落。
- 掃除が終わり、ようやくピカピカになった教室。そこに担任の教師が戻ってくる。しかしワックスで滑り転んだ弾みに、ほうきの柄が喉を突く。嘔吐。盛大にぶちまけられるゲ○。苦労の末、磨きあげた教室を再び汚されたことに怒った生徒たちは、一斉に担任をボコる。心がひとつに。
データ
登場場所
- とある小学校の3年2組
アオリ文(柱)
楽しい給食の後はそーじの時間。とある3年2組では…?
オクリ文(柱)
あらゆる困難を乗りこえ磨きあげられた教室がっ!! 今、バラバラだった3年2組が1つに!!!
作者コメント①
はじめまして。作者です。こういうギャグマンガは新鮮かと思う人もいるかもしれませんが、これがギャグの元祖です。これからも動きで笑えるギャグマンガを目指していきたいと思います。
作者コメント②
不平、不満、愚痴、どしどしお待ちしています。でも、なにぶん高校生なのでお手柔らかに。まあ読んで頂ければ、それでいいや。
審査員講評
味のある絵と内容のエグ味のギャップが魅力!!
澤井啓夫先生 (『ボボボーボ・ボーボボ』)
絵が上手だし、作中の雰囲気もいいのだが、既存の漫画から抜け出ていない。ここからどう自分なりのオリジナリティを出せるかが勝負だと思う。
うすた京介先生 (『すごいよ!!マサルさん』『ピューと吹く!ジャガー』)
難しいサイレントに挑戦したけど、やはり難しかったという感じ。絵柄のかわいさで毒気が薄くなっているのは好みだからいいけど、もう少しテンポが良いと面白さも増すのでは。
増田こうすけ先生 (『ギャグマンガ日和』)
絵は味があるし、この絵で結構エグかったりする所が面白い。この歳で、この完成度はすごいといえるかも。
近藤裕 (月刊少年ジャンプ編集長)
ある種のスプラッターギャグ(血が出すぎ)。ただ、視点は完全に大人の視点。出てくるキャラクターが、「大人から見た子供像」のように見える。
茨木政彦 (週刊少年ジャンプ編集長)
笑えるギャグは少ないけれども、かわいらしい話を買う。ここから、読者に強烈に「見たい!!」と思わせるキャラ・話を作っていけるかどうかが将来の分かれ目。
編集部から 桜井のりお先生のココがオススメ!!
偉大な喜劇俳優、チャールズ・チャップリンは英語の通じない聴衆のために、あのオーバーアクションの笑いを生涯追求したという…まず「見ただけで笑える」、これが子供達を笑わせるための必要条件です。桜井先生はナチュラルにそれを理解しています。次回作も大期待なのですッ!!
張り紙一覧
台詞は全くないのですが、校内の張り紙に細かいネタが散りばめられています。
- 「ろうかは走らず」
- 「階だんで群れない。PTA」
- 「階だんでシンナー吸わない。PTA」(今ならNGかな…このネタは)
- 「ミモー」「マミー」(おそらく「マモー」「ミモー」から)
- 「水をきれ」
- 「北」「南」「東」「西」「右」「左」「上」「下」「前」「後」(習字)
- 「ケン」「茶」「ブー」「長介」「工事」「注」「しんじ」「も」(習字。ドリフメンバーより。「しんじ」は、すわしんじ)
- 「トイレでうんこしない」(何のためのトイレか)
- 「プッチョ」(お菓子のぷっちょでしょう)
- 「オラニエ公ウィレム」(ちょうど先生が世界史を習っていたんでしょうかね?)
- 「うんこ」(何度か登場)
- 「一日一便」(黒板の上に貼り出されている目標)
- 「ルミネ10%OFF」
- 「マツキヲ」
- 「チャイム○ませろ」(○の部分は不明)
- 「らいず」
- 「テリー伊藤と愛を語る○」(○の部分の字が読み取れず…)
外部リンク
- Mezefilartさん
本作掲載時の情報。ジャンプの新人漫画家に関するデータが集められています。 - まんだらけさん
掲載号、および扉絵のページの画像あり。