VER.3.0[恐怖! 水辺に漂う死の香り!!]
きょうふ! みずべにただようしのかおり!!

構成あたしのっ…体が目的だったわけだね…

登場場所

  • 中等部(1-B教室・女子更衣室・プール・女子トイレ)

アオリ文

精密機械は水に弱しッ!! (※「精密機械」にルビ「ロボット」)

あらすじ

体育の時間を前に自分の高性能ぶりを披露する好機と張り切るイチカだったが、季節は夏。その日の授業は、ロボットにとって鬼門となる水泳であった。森繁父が用意した完全防水の水着&マスク(妙にいかつい)を着用するが、マスクはなんと一度きりの使い捨て。結局水に近づけなくなったイチカは、ちとせとの関係を怪しむうみこからの嫌がらせを受ける。そしてうみこにプールへ突き落とされそうになったイチカ。その手を掴んで故障の危機から救ったのは、ずっとつれない態度を取っていたちとせだった。

オクリ文

自称ロボで百合って…。⏎次号につづく。

作者コメント

夏に掲載される予定だったので水泳のお話です。どうしても水着が描きたかったわけではありません。

キャラクター

炉端イチカ(ロボットゆえ水に弱い。穴という穴を守るべく、完全防水のゴツい水着を着用。ちとせには泳げない人扱いされる)
  • 「私のウルトラはちゃめちゃロボットパワーを見せつける絶好のチャンス!!」
  • 「備品は壊さないようにしなきゃ…!!」
  • 「ちとせちゃん そんなこと言ってられるのも今のうちだぜ…」
  • 「水泳か―――――」
  • 「私…… 防水かなァ…」
  • 「わっ 博士 なぜわかった!? 盗撮システムが!?」
  • え!? なんかゴッツくなってんだけど!?
  • 穴を守るよ
  • 「な…なんか変だよねっ 私ってわかんないよね」
  • 「全部変だよ!!」
  • 「! ロボさんって私のことっ…?」
  • 「自称じゃなくてホントにロボなのっ」
  • 「よーーっし 見ててねちとせちゃん ロボットパワーで…」
  • 「まさか…これ 使い捨てなのか…」
  • 「口や鼻から水が入ったら故障しちゃうんだよ」
  • 「チガウッ」
  • 「これじゃ爆速スイムを見せられないよ」
  • 「何をする」
  • 故障ってこと!? 「故障=しね」
  • 「いやだから ホントに故障んだって (信じてないなこいつも…)」
  • 「故障 痛いのか? これまでの記憶は? ちゃんと治る? 博士が学校に来ちゃう?」
  • ありがとう 命の恩人だよ ちーちゃんっ
  • 「故障した方が良かったんじゃ…」
森繁ちとせ(相変わらずイチカをロボットだとは信じていない。プールに落ちそうになったイチカを助けるが、トイレでのぞきをされる)
  • 「まだ変なこと言ってる……」
  • 「え? どこか変…? ロボさんでしょ…」
  • 「え…自称ロボットさんだから…」
  • 「あ…見比べると ちょっと違う…」
  • 「あ…泳げないのか…」
  • あたしの交遊関係に嫉妬しないで
  • 「幼稚園…」
  • 「だいじょふ…?」
  • 泳げないって…言ってるでしょっ
  • 「溺れたトラウマとかがあるんでしょ…」
  • 「ロボさん…突然現れて… 一体何者…? 何が目的なのか…」
  • ………ホントに 友達に……
  • 「まぁいいか…」
  • あたしのっ…体が目的だったわけだね…
  • 「ノーパンだし…のぞきするし…」
戌井うみこ(ちとせとの友達作り対決のため、イチカをロボットだということにしたい。水に誘い込んでイチカを故障させようとする)
  • 「森繁に人間の友達なんて信じられない…」
  • 「あの自称ロボット女…どうにかして本当のロボっぽく仕立て上げられないかしら…」
  • 「あんた水に濡れて故障すれば ロボットだって証明できるじゃない」
  • バカね ちょっと「ピーガー」とか言ってロボットっぽく倒れればあいつも信じるわよ
  • 「してないっ この女絶対おかしいのよ」
  • 「おらおら~」
  • 「キャ~おぼれた~助けてぇ~」
  • 「あんたじゃない」
  • 「くっ…証明できなかった………」
  • 「なっ…なるほど コイツの目的はそれね!!」
担任の先生(水着ではない)
  • 「今日は自由に泳いでいいわよ~~」
  • 「はーい 今日の授業はここまでよ~~」
森繁父(声だけの登場。イチカ用の完全防水水着を用意してあったものの…)
  • 「フム水泳か」
  • 「時間割を確認しただけだ 防水用の水着とマスクを入れておいたぞ」
  • 「完全防水だとどうしてもゴツくなるもんだ」
  • 「穴という穴に水が入ったら故障するぞ 気を付けろ」

ストーリーライン

1
1-B教室→廊下イチカ・ちとせ
イチカ時間割を前に鼻息も荒いイチカ。「見てッ 次の授業は体育だよ」
イチカ体育の授業なら、ロボットとしての自分の高性能っぷりを見せられると意気込む。
ちとせしかし「まだ変なこと言ってる」とまるで取り合わないちとせ。
イチカ呆れ気味にため息をつくちとせに、「そんなこと言ってられるのも今のうちだぜ…」と意気揚々のイチカだったが…。
2
女子更衣室イチカ・ちとせ
更衣室で水着に着替え中の女子たち。次の授業は水泳だったのだ。
天国! うみちゃんのブラ! もちろん大事なところは見えない仕様です。なおちとせの水着の名札は「もりしげ」となぜか平仮名。
イチカ・森繁父ロボット=精密機械=水は大敵。自分は「防水かなァ…」と考え込むイチカ。そんなイチカの心を見通したかのように、森繁父から連絡が入る。
女性の姿をしたロボットを更衣室に送り込み、心置きなく盗撮…。その手があったか!(犯罪行為です)
イチカ・森繁父あらかじめ時間割を確認していた森繁父は、イチカのために防水用の水着とマスクを用意しておいたらしい。安堵するイチカ。
3
イチカさっそく防水水着を着用したイチカだったが…「なんかゴッツくなってんだけど!?」
ムキムキのボディスーツに、妙にいかつい顔のマスク。あごも割れてる。なぜイチカの美少女フェイスを作れたのに、マスクはこの出来映えなんだ…。
イチカ・森繁父不満げなイチカに対し、森繁父は「完全防水だとゴツくなる」との返答。しぶしぶながらイチカも納得する。
プールイチカ・ちとせ・うみこ
イチカもじもじしながら、ちとせの前に現れたイチカ。
4
イチカ・ちとせ見た目が変だからと恥ずかしがるイチカだったが、ちとせは別に変じゃないと言う。
イチカ「全部変だよ!!」 むしろ変だと言ってほしい。
イチカ・ちとせ自分を「ロボさん」と呼んだちとせに、ようやく認めてくれたのかとちょっとはしゃぐイチカ。ぬか喜びだったけれども。
これまで「おかしい人」や「彼女」と第三者的な扱いをしていたちとせが「ロボさん」と呼んでくれたのは、イチカに真っ当に向き合ってくれた証でもあります。
うみこそんなふたりの様子を、苦々しい表情で見つめる少女。うみこである。
うみこちとせに人間の友達が出来る。これはちとせと「先に友達出来るのどっちか対決」中のうみこにとっては由々しき事態なのである。
イチカ・ちとせ防水マスクを取って素顔を見せるイチカ。見比べるとちょっとだけ違うと言うちとせに、「全然違うよっ」。
5
イチカいざプールへ。ロボットパワーを見せようと張り切るイチカだったが…。
イチカマスクがペロッと剥がれ落ちてしまう。着けようとしても上手く張り付かない。
イチカそのマスクは一度きりしか着用出来ない使い捨て品だったのだ。怒ったイチカはマスクを放り捨てる。
イチカ・ちとせ口や鼻に水が入ったら故障してしまうと嘆くイチカに、泳げない人なんだと納得するちとせ。
6
うみこ爆速スイムを見せられないと落ち込むイチカの背後で、そろそろと水道の蛇口に近づくうみこ。
うみこ・イチカうみこは蛇口をひねって、イチカに水流をぶつける。
イチカ・ちとせ焦りまくるイチカを庇うちとせ。「泳げないんだって」
うみこしかしうみこの言い分は「水に濡れて故障すればロボットだと証明できる」というものだった。イチカが人間であっては困るのだ。
うみこ・イチカ「故障したフリをすればいい」とイチカを唆すうみこ。「信じてないなこいつも…」。
「故障」と書いて「しぬ」と読む。『刃牙』っぽい。
ちとせ・うみこ「あたしの交遊関係に嫉妬しないで」とうみこを煽るちとせ。それを聞いて、うみこはますますムキになる。
7
うみこなんとしてもイチカを水で濡らして「故障」させたいうみこ。
うみこプールからバシャバシャと水を掛けたり、溺れた演技をして水に誘導しようとする。
イチカ・うみこしかし授業が終わり時間切れ。悔しがるうみこと、落ち込むイチカ。
同じ「ロボットであることを証明する」ということでも、両者のアプローチはまるで正反対という。かたや故障させようと、かたや性能を見せようとして叶わず。
うみこ無警戒なイチカとプールを見て、うみこの心に魔が差す。うみこはイチカの体を押して、プールに突き落とす。
8
イチカ絶体絶命のイチカの脳裏に、走馬燈のように様々な思考がよぎる。
「痛いのか?」「これまでの記憶は?」「ちゃんと治る?」「博士が学校に来ちゃう?」
森繁パパが来校するというのは、間違いなく”事案”になることでしょう。イチカが危惧するのもやむなし。
イチカ・ちとせ間一髪の所で、差し出された手がイチカの手をガシッと力強く掴む。 故障(死)の縁にあったイチカを助けたのはちとせだった。
ちとせ「泳げないって言ってるでしょ」と、強い口調でうみこをたしなめるちとせ。
9
イチカ自分を助けた上に庇ってくれたちとせに、イチカの瞳がうるむ。
イチカ・ちとせ感激したイチカは「命の恩人」だとお礼を言いながら、ちとせに抱きつく。ちとせはちょっと腰が引けていたけれど。
ここで「ちーちゃん」と親しげな呼び方に変わります。ちっとも自分を受け入れてくれないちとせに、イチカもどこかで心の壁を感じていたのかもしれませんね。
トイレちとせ
ちとせプールから更衣室に戻る途中、ひとりトイレに向かったちとせは個室の中でイチカのことを思う。
「突然現れて…一体何者…? 何が目的なのか…」
ちとせそしてちとせの脳裏をよぎる可能性。「ホントに…友達に…」
この場面、初めてちとせの内心(モノローグ)が描かれており、とても重要な転換点と言えるでしょう。イチカを友達だと意識し始めているのも窺えます。
しかしながら……水着を降ろしてほぼ全裸でトイレに腰掛ける少女…という背徳的な絵面のインパクトがあまりに強すぎて…///
ちとせ「まぁいいか」とひとまず思い浮かんだ考えを脇に寄せたちとせ。トイレットペーパーに手を伸ばしたところ、背後の影に気が付く。
10
ちとせこちらを覗く視線。窓の外からまじまじと裸のちとせを凝視していたのは、イチカ(のマスク)だった。
女子更衣室イチカ・ちとせ・うみこ
ちとせ青ざめながら更衣室に逃げ込んでくるちとせ。
ちとせ話し掛けてきたイチカに、ちとせは怯えながら言い放った。「あたしのっ…体が目的だったわけだね…」
ちとせ・イチカすっかりちとせの体目当てで近づいてきたのだと思い込まれてしまったイチカ。いっそのこと「故障した方が良かったんじゃ…」。

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