国会図書館へ行こう!

下準備

私は何をするにも事前に下調べが欠かせない性分です。小心者ともいう。
だって現地で分からなくなってマゴマゴしたり、それを見た周りの人に「プッ」と
鼻で笑われたりしたら恥ずかしいじゃないですか。(無駄なプライド)
というわけで、まずはホームページに目を通しておくことにしましょう。これ基本。

国立国会図書館サイト
http://www.ndl.go.jp/
アクセス
http://www.ndl.go.jp/jp/service/tokyo/route.html

電車で行くのであれば、メトロ有楽町線の永田町駅で下車するのがお勧めです。
半蔵門線・南北線の永田町駅からですと、少し遠回りになります。
まあこのあたりは駅までのアクセスのしやすさで選ぶとよろしいかと。
開館時間、休館日などはサイトで確認しておいてください。

持参するものとしては、身分証明書だけあればOKです。
免許証・パスポート・健康保険証・住基カードなど、「氏名・生年月日・住所」が証明できる
公的な証明書であれば大丈夫です。
またノートパソコンなどの持ち込みも可能ですが、館内は撮影禁止となっていますので
コピー目的でカメラの類を持っていっても無意味です。

あ、ひとつ大事なことを言い忘れていました!
国会図書館を利用できるのは、18歳以上の方だけです。
良い子は大きくなるまで我慢してね、ということらしいです(ウソ)。

現地におもむく


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(地図が表示されない場合は、F5で「更新」しなおしてしてください)

私は永田町駅の2番出口から出ました。ここからだと何も考えずに目の前の交差点を渡って
直進するだけですので、方向音痴属性の持ち主である私でも安心。
200mほど歩いてバス停を通り過ぎた先に、入口があります。

国会図書館には「本館」「新館」のふたつの建物があります。
雑誌が収蔵されているのは新館の方です。
また初めて利用する場合は「登録利用者カード」を作成する必要があり、
これは新館の入口にあるカウンターで発行してもらいます。
つまりいずれにせよ、一度は新館に行くことになるというわけです。
新館は入口から見て右奥の方にあります。案内もあるので迷うことはないでしょう。

侵入するまでの流れ

新館に入ってすぐに係員の人がいて、初めて利用する旨を話すと申込書を渡してくれました。
わお親切! これ以外にも、公的機関にしてはやたらと親切です。好印象。
申込書に記入するのは氏名・生年月日・住所・電話番号などのお決まりの項目と、
任意のパスワードです。(※パスワードの英字は、大文字のみです)
書いたら身分証明書と共にカウンターに提出し、数分ほど待つと「登録利用者カード」が
発行されます。ごく普通のICカードです。3年間有効とのこと。

さてさっそく中に入りたいところですが、このままではまだ入れません。
B5サイズ以上のカバンなどは持ち込めないので、ロッカーに預けておきましょう。
持ち込めないものについては、ここを参照してください。
ロッカーは入口から見て、右手奥にあります。

ロッカーの使い方
①扉を開けます。
②荷物を入れます。
100円玉を投入口に入れます。
④扉を閉めます。
⑤鍵をかけます。

ここで③と④の順番を逆にして、1分ほど試行錯誤していた間抜けが若干1名いました。
周りに誰もいなくてよかった…。
中に持ち込みたい手荷物は、ロッカー入口にあるビニールの手提げ袋の中に入れます。
これでようやく準備完了。

端末で閲覧申請

入口から見てまっすぐ行ったところに、入館ゲートがあります。
SuicaやPASMOの要領で、先にもらった登録利用者カードをタッチすればOKです。

私のイメージに反して、館内は開放的で広々とした空間でした。ちょっと心躍ります。
ゲート左手を見ると、端末がたくさん置いてあります。
閲覧の申請はこの端末を使って行います。
あ、国会図書館は普通の図書館と違い、本棚に書籍が置いてあるわけではありません。
「この本を見せてください」と申請して借りる形になります。これを閉架式と言います。
また書籍を館外に持ち出すことはできません。館内での閲覧とコピーのみ可能です。

端末は普通のパソコンです。パソコンに慣れている人なら戸惑うこともないでしょう。
登録利用者カードをカードリーダーに差すと、自動的にログオン画面が表示されるので
パスワードを入力。すると6つくらいアイコンがある画面が表示されます。
確か左上のアイコンが、検索システムの画面(NDL-OPAC)だったと思います。
この画面は「ここ」と同じものですので、自信のない方は事前に練習しておくと吉でしょう。
IDがなくともゲストログオンできます。

閲覧申請の手順
①検索システムで、借りたい本を特定します。
②申込みの欄のリンクをクリックして、「閲覧申請」します。
③申請の確定までにはあと2つくらい画面があるので、ボタンをクリックして先に進めます。

書籍は3冊、雑誌は10冊まで同時に申請することが出来ます。
ただ1回の申請につき1冊しか登録できないので、同時にたくさん借りようと思うと、
何度も同じ操作をするハメになり結構メンドーではあります。

検索システムの詳しい説明は長くなるので、あとで例を挙げて行いたいと思います。
また近くに説明してくれる係員の人が何人かいるので、わからないことがあれば
都度質問するとよいでしょう。優しく教えてくれます。
ここでは閲覧申請が終わったところから話を進めます。

受け取りまでの流れ

閲覧申請から受け取り可能になるまでには、15~30分ほど待つことになります。
受け取り可能になったかどうかを確認する方法には、ふたつあります。

(1)閲覧申請の端末を使う
詳しいことはちょっと忘れてしまいましたが、確かトップ画面「下段・真ん中」のアイコンが
この状態を確認する画面に飛ぶものだったと思います。
受け取り可能になると、この画面の左上の一覧に追加されていきます。
また一覧を見なくても、タスクトレイの通知アイコンが点滅するので、すぐに分かります。
私は手持ちぶさただったので、通知アイコンがピコンピコン光るのをボンヤリ待ってました。

(2)カウンター近くの端末を使う
受け取りカウンターの近くに端末が3台置いてあります。
閲覧申請の端末と同じくリーダーにカードを挿すと、自動的に(1)と同じ一覧が表示されます。
なおこの一覧には「既に受け取り済み」のものもリストアップされたままになっているので、
「時刻」をちゃんと確認するようにしましょう。
私はこれを怠り、カウンターで「まだ来てません」と言われ恥をかきました。うむぅ…。

受け取り可能になったら、カウンターに行って登録利用者カードを渡しましょう。
係員の人が奥から本を持ってきてくれます。
本がたくさんある場合は、キャスター付きのワゴンみたいのを貸してくれます。
なお国会図書館には「えっちなほん」もちゃんと収蔵されていて借りられるのですが
カウンターにいるのは若いおねえさんも多かったので、結構勇気がいるかもしれません。
「私は一向に構わんッッ!」「むしろごほうび」という方は、どうぞご自由に。

閲覧と返却

閲覧は近くのテーブル(4人掛け)や、奥の閲覧室で可能です。
時間によってはテーブル付近は少し混み合うので、相席のような形になります。
またソファもあるので、くつろいで読むことも可能です。

読み終わった本は、受け取りカウンターの隣にある返却カウンターに返します。
返却の際もカードを一緒に渡しましょう。
返却すると、再び閲覧申請が可能となります。
たとえば上限の10冊まで借りて、うち4冊を返した場合、また4冊申請できる訳です。

ちなみに私が行ったのは、混雑すると聞いていた土曜日でした。
午前中は比較的空いていたのですが、11時頃からは行き交う人も増えてきました。
しかし施設としてのキャパは十分に余裕があり、心配するほどのことはありませんでした。
閲覧申請の端末も「空きがなくて待つ」なんてことはありません。
カウンターに待ち行列が出来ることもなく、スムーズに受け取り可能でした。

検索システムの使い方

国会図書館を利用する上で肝となるのが、検索システム「NDL-OPAC」
このシステムを使いこなすことで、スムーズな申請が可能となります。
そこで私が実際に使ってみた上で感じた点などをお伝えしたいと思います。
なおこの記事は「漫画雑誌を閲覧する」ことにフォーカスしていますので、実例として
『週刊少年チャンピオン』の特定の号を借りるまでの手順を追っていくことにします。

NDL-OPAC00
ログオン直後の画面です。
NDL-OPAC01
漫画雑誌を検索する場合は、「詳細検索」がお勧めです。
上のタブかリンクをクリックして、詳細検索モードに切り替えましょう。
NDL-OPAC02
キーワードに『週刊少年チャンピオン』と入力します。
NDL-OPAC03
さらに右側の絞り込み条件「資料種別」で「雑誌」のみチェックをONにするのがお勧めです。
この状態にするには、「全解除」→「雑誌」の順でチェックします。
「検索」ボタンをクリックすると、検索結果が表示されます。


NDL-OPAC04
検索結果が1件だけだった場合は、上の画面(書誌情報)になります。
結果が複数件存在した場合は、この前に検索結果一覧画面が表示されるので、
お目当ての書籍のタイトルをクリックしましょう。
書誌情報が表示されたら、①の「全ての資料を表示する」をクリックします。
また②のリンクから「マイリストに追加」をしておくと、あとで検索の手間が省けます。
NDL-OPAC05
「所蔵一覧」の画面に遷移します。
発行年が分かっている場合は、さらに絞り込みを行うとよいでしょう。
「年」を選択して、「実行」ボタンをクリックします。
上の画像では申込みの欄が「複写」になっていますが、現地では「閲覧/貸出」のように
なっているはずです。この「申込み」のリンクをクリックすると、申請を進めることができます。
なおこの一連の作業で申請できるのは1冊だけです。
複数冊申請したい場合は、「検索」→「申請」を繰り返してください。

現地で難しく感じたのが「号の特定」方法です。
ここからは『週刊少年チャンピオン』のケースですので、他の雑誌には当てはまりません。
お目当ての雑誌に応じて、事前に特定の仕方を調べておいた方がいいと思います。


NDL-OPAC06
チャンピオンの場合、2009年まではカンタンです。
上の画像の下線を引いたところが、「○号」の○にあたる数字です。
合併号の場合、「2-3」のように表記されていることがわかりますね。
NDL-OPAC07
難しいのは、2010年以降。上の画像の通り、表示内容が変わっています。
下線の部分を「発売日かな?」と思ったアナタ…罠にはまってます。
ここの表記は「発行日」であり、週刊誌の商慣行上「発売日の2週間後」となります。
「発行日」=「発売日の2週間後」
バックナンバーの「号」と「発売日」は、秋田書店のホームページで調べることが出来ます。
この日付に2週間を足した日付が、下線の部分の日付ということになります。
週刊少年チャンピオン バックナンバー
NDL-OPAC08
これは「2010年6号」の情報。発売日が「2010年01月07日」となっていますね。
そしてこの日付に2週間を足した「2010.01.21」が発行日です。
上の画像の3件あるうちの、一番上がそれだということがお分かりになったでしょうか?
よくよく見てみれば、合併号の発行日は「2012.01.08・14」のようになっていますね。
また「1号」はたいてい前年発売なので、前年分を検索してください。

コピーのしかた

複写(コピー)の申請も、閲覧申請と同じ端末を使っておこないます。
複写にはその日のうちに受け取る「即日複写」と、あとで郵送してもらう「後日郵送複写」が
あります。ここでは前者の「即日複写」の手順を説明します。

まず即日複写申請するには、事前にその書籍を閲覧申請して貸し出してもらってください。
以降は「借りた本が手元にある」という前提で話を進めます。

複写申請の手順(端末上での作業)
①端末のトップ画面から、複写申請の画面にジャンプ。
②閲覧申請済みの本がリストアップされているので、そこから複写したいものを選択。
③選択し終わったら、「印刷」ボタン(だったかな?)をクリックする。
④カードリーダーから、登録利用者カードを抜き取る。
⑤端末の画面が切り替わるので、「一時離籍」をクリックしておく。(※1)
⑥プリンタの側にあるカードリーダーに、登録利用者カードを差す。
⑦少し待つと、「即日複写申込書」がプリントアウトされます。
(※1)そのままログアウトして席を離れるなら、不要です。

プリントアウトされた「即日複写申込書」と一緒に、プリンタの側に置いてある「しおり」も
もらっていきましょう。
「即日複写申込書」には、コピーしたい範囲(ページ)・ページ数・カラー指定を記入します。
手元にある本を確認しながら、記入していってください。
その際、コピーしたいページにしおりを挟んでおきます。
複数ページにわたる場合は、開始ページと終了ページに挟みます。

準備が終わったら1階に降りて、受付カウンターに登録利用者カードと一緒に提出します。
その際、紙の大きさやコピー方法(見開きでいいか)などを確認されます。
受け取り可能になったかはどうかは、閲覧申請と同様に端末で確認できます。
日によると思いますが、待ち時間はだいたい10~30分ほどでしょうか。
なおコピーは有料で、1冊あたりコピーできるページ数にも上限があります。
事前に国会図書館のホームページなどで確認しておいてください。
古い漫画雑誌のバックナンバーを読みたい、と思ったことはありませんか?
パッと思い当たるのは、出版社や書店経由でバックナンバーを取り寄せるか、
民間の中古業者から購入するといったところ。
しかし業者から入手するのはお金が掛かりますし、在庫がなくてはどうしようもありません。

そこで国会図書館の出番です。
国内で出版されている書籍のほぼ全てが収蔵されている国会図書館であれば
メジャーな漫画誌ならまず間違いなく、しかもタダで閲覧することが可能です。
都内近郊にお住まいの方で、しかも実物の収集にこだわりがないのであれば、
有力な選択肢のひとつとなるでしょう。

今回の記事はみつどもえファン向けではなく、漫画雑誌のバックナンバー目当てで
国会図書館に行ってみたい…と思っている方向けのレポートです。
かなりレアな需要でしょうが、私自身よそのサイトの記事が参考になりましたし
いつの日か、どこかの誰かの役に立てば…と思います。

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